2012年1月20日金曜日

研究日誌BLOG|ビーンズ訪問看護ステーションつくば/ビーンズ居宅介護支援センター

2012.01.16

先日、日本褥創学会のセミナーに行ってきたので、その内容について少しお伝えします。

 

ここしばらくは創傷治療に消毒剤を使用すべきではないという意見が主流でしたが、臨界保菌状態(感染の手前で細菌が増加し創傷治癒阻害を及ぼし始める状態)という概念の普及に伴い消毒剤禁止の傾向は和らいできているとのこと。

 

消毒剤についての最近の見解としては・・・

    洗浄のみで十分であり、通常は必要ないが、明らかな創部の感染を認め、浸出液や膿苔が多いときには洗浄前に消毒を行ってもよい。

                  (褥創予防・管理ガイドライン)

    消毒剤で細菌数を減らすべきである。(WHSガイドライン)

    消毒剤の利用が再認識されている。(インターナショナル コンセンサス)

    銀とヨードについてエビデンスが集積されつつある。 

                 (インターナショナル コンセンサス)     

 

 

少しの間にも、創傷治療に対する考え方が再び変化してきていることを知りました。

当初は、消毒しないということにとても抵抗がありましたが、実際、創部をきれいに洗浄後、湿潤環境を保持することで治癒されることを実感しました。

しかし、浸出液の量も多く、悪臭のある浸出液がなかなか軽減されないという例もありました。

様々な要因がある為、一概には言えませんが、やはり創状態に合わせて消毒を行うべきなのかもしれません。

 

また、浸潤環境づくりにも変化が出てきております。

難治性創傷などの場合には有害因子を除去しようとするタンパク分解酵素が浸出液中に増えすぎてしまうことで正常な細胞や治癒に必要な因子まで排除しようとする障害が発生してしまうため、必ずしも浸出液を保持することがよいとは限らないと。

有効な浸出液を保持するとともに過剰な浸出液は吸収・除去する事が重要になるとの事。

その目安としては、創面は潤い、周囲の皮膚は濡れてない状態のようです。

 

 現在では、創傷治療の変化に伴い、様々な外用剤、創傷被覆材なども出てきております。

 引き続き、新しい知識を取り入れ、創状態に適した処置が行えるよう努めていきたいと思います。

 

2012.01.10

明けましておめでとうございます。

 

今年は辰年です。辰年は「昇龍」の年と言われているように、過去の辰年を顧みてみると、世間では様々な公共事業が辰年に完成しているそうです。今年の目玉としては「スカイツリー」ではないでしょうか。

 

皆様にとっても、「龍が天に昇る」ように飛躍の年となることを願いまして、私の新年の挨拶とさせていただきます。

 

さて、今年から「健康」ということに関して、勉強していこうと考えています。

 

「健康」と言っても、いったいどういう状態を「健康」というのか、「健康」を維持するためにはどうしたら良いのか・・・など、なんとなく、漠然としたものだと思います。

 

 私自身、「健康」とは何? と、問われると、はっきりは答えられません。「健康」の定義から少しずつ勉強していきたいと思います。

 

~健康の定義について~

 

WHO憲章では、前文の中で「健康」について、次のように定義しています。

 

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます(日本WHO協会訳)」

 

この定義からは、「健康」とは医療というものに限らず、その人の考え方や生活、宗教など多岐に渡っていることが読み取れ、「健康」とは何かを考える上で、より広い視野で物事を捉え、見ていくことが必要になることを示していると考えられます。

 

 いずれにせよ、「健康」とは、一言では言い表すことは出来ず、また、「健康」⇔「病気」という単純な図式ではないということを示唆しています。

 

今回は定義について考えてみましたが、「健康」とは何か少しずつ考えていきたいと思います。

2011.12.26

今回は口の中が汚れていることで起こりやすくなってしまう

『誤嚥性肺炎』についてアップしようと思います。

 

そもそも...

口の中には様々な細菌が潜んでいます。

その数、約300種、歯垢1mgあたり1億個以上も細菌が生息していると

いわれています。

そんな中、食べかすが残っていると、そしてその食べかすを餌として、

さらに細菌が繁殖します。

 

これらの細菌が誤って気管から肺に入り(誤嚥)、肺で炎症を起したものが

『誤嚥性肺炎』です。

 

誤嚥性肺炎は食事中にも起きますが、睡眠中にも起きる厄介なものです。

 

食事中に誤って食べ物が気管に入った時には、むせることで気管から異物を

吐き出す機能が働きますが、一部の食べ物がそのまま肺に入り、肺炎を

引き起こします。

 

また、睡眠中には、気づかないうちに細菌が多く含まれた唾液を

誤嚥してしまうことがあります。

 

高齢者は咳をする力が弱く、気管に細菌が入っても押し出すことが出来ず、

誤嚥性肺炎を起こしてしまうのです。

感染に対して抵抗力が弱い人、嚥下機能が低下している人は注意が必要です。

 

こんなこと思い当たりませんか?

   食べ物を飲み込みにくくなった

   食べ物がよくのどに詰まる

   むせることが多い

   よく発熱し、肺炎や気管支炎を繰り返す

 

思い当たる方は注意が必要です!

 

口の汚れから、命を脅かす『誤嚥性肺炎』を起さないためにも、日ごろから口腔内は清潔に保ちましょう!!

2011.12.19

今年1年を振り返って

今年を振り返ってみると記憶に強いのは3月11日に起こった東日本大震災です。3月11日に私はデイサービスに勤務していた際に東日本大震災にあいました。この時は事務所のパソコンが全て倒れて利用者様も動揺しておりました。訪問スタッフも瓦が落ちてくる場面に遭遇したり、信号が停電になり止まっている中帰社しました。この日私は自宅に帰るのに6時間かかりました。しかし大変だったのはこの次の日からでした。まずはガソリンや水の確保でした。被災しているのにも関わらず皆で休日に出てきてくれてガソリンスタンドに並び、水の確保、弁当が配達されない場合を想定しての食料の確保をしてくれました。初めての経験でかつ自分の娘が1週間前に産まれたばかりで、家内も不安定な精神状態になっており、正直私は 気が動転していました。しかしスタッフがこういう時こそ営業を滞らせてはいけない。営業しようという気持は揺らぐ事無く利用者様の為を考えていました。その結果周りでは休業している介護サービスの多い中、訪問は震災の次の日から営業を開始、デイは定休日であった土日に準備を整え、月曜日から通常通り営業を再開しました。この時営業を滞らせなかった事を私は誇りに思います。またこの時想像に反して利用者の方の休みが少なかった事を記憶しています。震災後訪問に行くと利用者様からは「待っていたよ」と安心した表情で迎えてくれました。訪問では利用者様のお宅へ定期的に行きます。その定期的に行く必要性をこの時ほど感じた事はありません。またデイサービスへ来られている方は「ここに来ると安心できる」と� ��お言葉を頂きました。この時はまだまだ余震が続いていました。余震の中で自宅にいるのは不安が多いようですが、デイサービスでみんなでいる事で安心を得られていたようです。このように我々の仕事は沢山の方に必要とされています。この仕事に誇りを持ち、来年も日々頑張っていきたいと思います。

2011.12.12

リハビリにおいて我々がしていること出来ることを考えた時、大きく分けて2つの事に大別出来ると考えます。

 

何かというと利用者さんの自身の身体機能・能力を高めること、環境を変えることと私は考えます。

 

例えば、最近筋力が低下し(同時に関節も硬くなっている)何も支えなく歩くことが危険と感じ、何かにつかまれば安定して歩けると思われる方の場合

 

   機能・能力を高める:筋力や関節の硬さなどの問題(身体機能)を回復させる。

   環境を変える:手すりをつけて歩行を安定(環境を変える)させる。

 

という解決策が挙げられます。

やはりこの例えの場合、身体機能を高めることが理想的です。

しかし、筋力はすぐにつきません。一度硬くなった関節もすぐには柔らかくなりません。

それでも、その方は危険な状態で歩くことを強いられるのです。

危ないから歩かなければ、寝たきり状態となってしまう可能性が高まります。

 

そのまま身体機能の回復を待っていたらある日、転んでしまい状況がより悪くなってしまうことも考えられます。

 

しかし、手すりは据え置きのものであれば早ければ当日、翌日にでも設置することが可能です。

という事は、当日・翌日から安全な状況で歩くことができるのです。

 

後は安全に歩ける状況(環境)になっているので、ゆっくりと回復させる余裕ができます。

 

この様な事は一見簡単そうに思えても意外とその環境を目の前にしないで、話を聞いているだけではなかなか想像がつかない事があります。

しかし、訪問でのリハビリの場合、目の前でありのままの日常があり、何が足りていないのか、何を変えればよいのかという事が手を取るように分かります。

 

リハビリが関われるのは多くても11時間くらいかと思います。

しかし、124時間あります。

リハビリの1時間以外が重要となってくると思います。

 

という事は・・・。

 

日常の生活の中にレベルアップの鍵が隠れています。

また、素の利用者さんが見えて会話も弾み、会話の中にもレベルアップの鍵があります。

 

今回は訪問でのリハビリを実施していく中での一部をご紹介いたしました。

今後も同じ題名で更新したいと思いますので見てください。

2011.11.28

 こんにちは。

今回は、栄養欠陥に基づく疾病と対策‐第一弾 ビタミン欠乏‐についてです。

 

タイトル:ビタミン欠乏

 

1.ビタミンの働き

ビタミンとは...微量で生体内における物質代謝を円滑に進行させ、正常な成長や生命活動を維持するために働いている。

 

※もう一つの特徴は...

『生体内で合成することができないか、合成できたとしても十分量ではない』

ということである。

⇒表1の①のような種々の身体症状が現れた場合は、ビタミンの欠乏症が疑われる。

さらに、食生活面や練習面についても調べ、チェックのつく項目が多いとビタミン欠乏のリスクは高くなる。

 

表2

 

 

IMG (4).jpg⇒表2に示した各種水溶性ビタミンの欠乏症状リストと照らし合わせ、症状がひどい場合には、医師の診断を仰ぐとともに食生活面、練習面等の見直しが必要となる。

特に欠乏すると競技力に影響が出る可能性があるのは、エネルギー代謝と関係しているビタミンB群である。

次回は、‐2.症状、アセスメント、対策‐をお届けいたします。

2011.11.25

介護サービスを選択する際どのようにしていますか?要支援・要介護状態にある方でパソコンを利用できる方は少ないかもしれませんが、インターネットを利用できる方が身近にいる場合は、「介護サービス情報公表システム」を利用されるのもよいかと思います。事業所の従業員に関する事や事業所の取り組みについてもわかりますよ。

 

2011.11.23

先日手術しました。

病名は、アテローム(粉瘤)です。

アテロームとは、皮膚のなかに生じた角質(かくしつ)が充満した袋状のものです。痛みはありませんが、触ると異物感を感じます。

袋自体が角質をつくる細胞で出来ており、徐々に袋の内容物としての角質は増えていきます。

私は隆椎(第7頚椎棘突起)の上と、第3胸椎棘突起の上に2つもアテロームが出来てしました。

20年程かけて隆椎上にあるものが大きくなり、生活に支障を来たす様になりました。

意を決して形成外科に受診。翌週切除しましょうということになりました。

自分の感覚としては、一つは大きめのビー玉くらいの大きさ、もう一つ小さいものはパチンコ玉位の大きさだろうと感じていたのですが、いざ手術にて摘出してみるとかなり大きいものでびっくりしました。

摘出したアテロームの大きさは、なんとピンポン玉とウズラの卵位ありました。

この大きな玉2つを見て、腹臥位で1時間30分ほどの手術中、途中で麻酔が何度も効かなくなり、その度に麻酔を注射(キシロカイン)したのを納得しました。

これだけ大きなものが皮下にあったならば、手術で皮膚から深層部まで掘り下げていくうちに、麻酔が届いていなかったという事が理解できました。

おかげ様で手術は無事成功。形成外科ということもあり、縫合も細かく行って頂き、傷は目立ちにくいです。

身体のどこかにアテロームを持っている方は多いようです。自分のように大きく育つ前に摘出してもらったほうが傷も小さくて済みます。皆さんも早めに摘出してもらいましょう。

2011.11.22

 

「いちにち、いちにちは、長いのに、過ぎてみて思い出すと短く感じるのは、

嫌なことは忘れちゃって、良い事とか楽しかったことだけを思い出すから、

一年は短く感じるんだね。」って、小学3年の息子。妙に説得力がありました。

嫌なことを忘れちゃう事が特に重要だなと、つくづく思います。

2011.11.21

インドメタシンやケトプロフェンを含む湿布薬(モーラステープなど)を安易に処方している病院が多いのが日本の現状です。そもそも湿布というのは抗炎症薬を含む外用薬のことです。有効成分が皮膚から患部に浸透して、抗炎症作用を発揮します。そして、炎症がしずまり、腫れや痛みがやわらぎますが、病気の原因そのものを治すことはできません。

 

有効成分のケトプロフェンは、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)であり、炎症を引き起こすプロスタグランジン(PG)という物質の生合成を抑制する作用があります。痛みが起きている場所では、細胞の組織を再構成するため、痛みを強く感じさせるプロスタグランジンが盛んに合成されています。インドメタシンは、このプロスタグランジンの合成を阻害することで痛みを楽にするものです。しかし、急性期を過ぎたあとも長期に渡って使用していると、血流の流れが悪くなったり、冷えが生じたりなど、本来、組織が持っている自然治癒力が発揮されず、痛みが慢性化してしまうことになる危険性があります。

自然治癒力と薬の効果を理解することが必要ではないでしょうか。

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