小中高校生の携帯電話保有状況をグラフ化してみる(2011年・青少年のインターネット利用環境実態調査版):Garbagenews.com
小中高校生の携帯電話保有状況をグラフ化してみる(2011年・青少年のインターネット利用環境実態調査版)
2012年01月11日
2012年01月11日06:05
内閣府は2011年10月31日、青少年のインターネット利用環境に関する実態調査結果を発表した。今回はその結果データの中から、小学生〜高校生における携帯電話の所有状況をグラフ化し、内容を確認していくことにする。全体では小学生約2割・中学生約5割・高校生9割強が携帯電話・PHSを有し、中高生ではスマートフォンの保有者も一部見受けられるなど、興味深い内容となっている(【「2011年度版青少年のインターネット利用環境実態調査」も含めた一覧ページ】)。今調査は2011年6月9日から26日にかけて、層化二段無作為抽出法で選ばれた、同年8月末時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ3000人に対し、個別面接聴取法によって行われたもので、有効回答数は青少年1969人・保護者2037人。
まずは調査母体全体の携帯電話(スマートフォン含む。以後特記無き限り同)・保有率について。最新も含め3年分のデータが公開されているが、大体5割が保有。「家族共用で有り」も含めると少しづつだが増加する動き。
↑ 携帯電話・PHSを持っているか(小学校〜高校)
これを具体的に、学校・性別で区分して再集計したのが次のグラフ。冒頭で触れたように、家族共用も合わせると小学生2割・中学生5割・高校生9割強の図式となる。
↑ 携帯電話・PHSを持っているか(学校・性別)
男女別ではすべての学校区分で、男子より女子の方が保有率が高い。元々女子の方が意志疎通ツールとしての携帯電話を好んでいること、そして(保護者が買い与える)防犯用としても女子への需要が高いことが原因。
ただし高校生になると差異はほとんど無くなり、家族共用の端末保有者もごく少数派になる。ほとんどは自分の専用の携帯電話を与えられ、使える状態にある。
では家族共用・自分専用を問わず、携帯電話を持つ子供達は、どのような機種を持っているのだろうか。言葉の定義を写真込みでしっかりと説明し、理解しててもらった上で回答を受けた結果が次のグラフ。
↑ 持っている機種は(自分専用・家族共用保有者限定)
メールやネットブラウジングが出来ないなど、子供による利用を想定している「機能限定・子供向け」携帯の利用者は18.1%。一方、自分専用か家族との共用かまでは公開されていないが、ともかくスマートフォンを利用している人は5.7%。両項目とも昨年から確実に増加しており、浸透が進んでいるのがうかがえる。
これを学校・性別で区分して再集計すると、やはり「機能限定・子供向け」携帯の利用率は小学生で非常に高くなる。
↑ 持っている機種は(自分専用・家族共用保有者限定)(学校・性別)
中学生でも約2割、高校生でも約1割は「機能限定・子供向け」携帯を利用しているものの、大半は普通の携帯電話を使うようになる。他方スマートフォンは小学生では事実上ゼロ。中学生で5%程度、高校生では7%ほどとなる。
携帯電話全体の所有率は女子が上だが、「機能限定・子供向け」「スマートフォン」共に男子の方が所有率が高いあたり、保護者の思惑や子供自身の主張がすけて見えて興味深い(前者はさしずめ「大人向けコンテンツ」にアクセスしないように、後者は「多機能の機種に触れたい」という子供からの要望に応える形で、というパターンだろう)。
今後は「携帯電話そのものの浸透率の向上」「機能限定・子供向け、スマートフォンそれぞれの所有率の増加」の二つの動きが同時に起きるものと思われる。特にスマートフォンは、保護者自身の保有率が上がることから、保護者と共有の形で使われる事例が多数を占めることが予想されよう。
最後にやや余興的なものとして、2011年における小中高校生のスマートフォン所有率(自分専用・家族共有保有を合わせたもの)を算出し、グラフ化しておく。小数点第一位同士を乗したもので、やや精度が甘くなるが、目安程度にはなる。
↑ スマートフォン保有率(自分専用・家族共用保有者の双方合わせて)
小学生がすべてゼロなのは、最新のデータでは保有者が確認できなかったため。今後同様の調査が来年以降再び行われた際には、少数ではあるものの値として現れるに違いない。
■関連記事:
【小学2割・中学4割・高校9割…小学生から高校生の携帯電話の保有状態をグラフ化してみる】
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